■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50

[院]生態学的学習論演習

51 名前:名無しさん@有元掲示板:2006/08/02 03:56 ID:paPrQ7y6

「ペン回し」の学習は、旧式な教授方法である「鍛錬」や、徒弟制度に見られる「伝承」に共
通する。教科書も教授方法も確立されていない、この種の反復練習による苦行のごとき鍛錬に立
ち向かうには、高度な学習意欲の維持が必要であり、それの調達には、学習者個人にとって、
その学習の成果が重要で、興味の対象であり続けることである。
 学習者にとって、成果の重要性を推し量る術は、獲得したスキルが、どの様な社会の、どの様
な人たちに、どの様に認知され、どの位の評価を得るかであり、スキルを獲得しての参加、認知
されたい社会が学習者にとって、魅力的と定義され、その行為を通して、学習者の求める社会へ
の参加が可視化されることである。この場合の参加者にとっての魅力的な社会とは、鉛筆に「回
せ」とアフォードされる特殊な集団であり、一般的に見て、役に立たない事への学習に参加する
変わった価値観と、無意味なことへの意欲と、その行為達成に必要な、時間やエネルギーの浪費
を可能にする「鉛筆回し」達人集団の属する、年代、思考、状況、価値観を持つ社会的グループ
である。
 大部分の人が「学習に値しないこと」と定義する行為の中にも、学習者本人が、達成後の社会
的評価に価値があると認めたとき、学習者は強力な学習への動機付けを持ち、スキル獲得へ猛然
と邁進するのである。学習者の学習動機は、教授者や他の人が定義する、価値あるものの中に存
在するのではなく、学習者本人とそれを取り巻く状況の中にある。
より良い学習環境とは、学習者の多種、多様な学習の動機付けを可能にする情報と状況を与え
ることである。

219.17.44.25 , softbank219017044025.bbtec.net ,


42KB
新着レスの表示

掲示板へ戻る 全部 前100 次100 最新50