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2007夏つくば集中講義「学習心理学」

1 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 08:58 ID:???

F230101講義用。資料、質問、意見、対話のために。

2 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 10:12 ID:???

授業開講

3 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 13:08 ID:???

認知的人工物(cognitive artifacts)

表現機能を目的として、情報を保持し、表示し、操作できるようにデザインされた人工的な道具や装置。人の認知能力を実際に強化する働きをするわけではなく、遂行すべき課題の性質を変化させる役割を果たす。
加藤隆, 認知科学辞典


4 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 13:09 ID:???

認知的分業(cognitive division of labor)
複数のエージェント間で認知が共有されることを 分 散 認 知 と呼ぶ。このような認知過程においては、認知的 資 源 がエージェント間で共有される一方、それぞれのエージェントは独自の認知的機能を分担する認知的分業が不可欠である。つまり複数の人あるいは人と認知 的人工物(cognitive artifacts)が、認知的資源を共有しながら、それぞれ一定の認知的機能を分担することで、全体を通してある認知的課題を遂行する。ここでおのおののエージェントがすべての情報を知っている必要はないことが重要である。
木村忠正, 認知科学辞典


5 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 13:09 ID:???

機能システム
ハッチンス(1990)によれば、認知システムは「個人の境界を越えた広がりをもち、多数の人間や人工物、およびそれらが動作するメディアを含む」ものである。つまり「知能の存在する場所は装置でも人でもなく、両者の相互作用の中で創造される機能システムの中である。」


6 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 13:15 ID:???

分散認知
「これまでのワーク研究で展開してきた分散認知(distributed cognition)
の理論では、個人のマインドではなく、文化的に構成された機能グループ
(culturally constituted functional group) が分析の単位とされる。
この理論は、情報がどのようにシステム内を伝播して行くか、様々なメディア構造
(mediating structures)でどのような表象状態を取るかということに
関わるものである。これらの構造は頭の内部同様、外部でも知識を表象する
(知識やスキルやツールなど)。このアプローチを取れば個人のレベルで
あれグループのレベルであれ、認知過程がシステム内の情報の移動をトレース
することで記述でき、パフォーマンスを引き起こすメカニズムの特定もできる。」
エドウィン・ハッチンス(1990)


7 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 13:36 ID:???

ハイブリッドな集合体
「鋤の刃は、それをデザインし作製し広め修理するもの全てと農夫を結びつける。農夫はひとりぼっちで働いていると思っているだろう。力を強め生産性を高めることを意図したよくある道具を用いているだけだと思っているだろう。だがそれは違う!彼は鋤の刃のおかげで、声はないが現実の、そして姿はないが確かに存在し、活動的である仲間に囲まれている。このことは鋤の刃によって成り立っている。このささやかな非-人間要素(non-human)を消してしまえば、このあわれな農夫は孤立し、無力で、閉め出され、社会に取り残され、そして非活動的になる。労働しているのは農夫ではなく、農夫+鋤の刃+刃に名を刻まれた全てのものである。鍛冶屋だけでなく彼の溶鉱炉とふいごも、金物屋だけでなくその物流手段も。」Michel Callon (2004)


8 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 13:46 ID:???

人が何を求め、考え、感じるかは、社会技術的環境(socio-technical environment)に依拠する
エージェンシー=行為し、考え、感情を経験する全てのいきもの(being)の能力(capacity)
技術のコンフィグレーションによってさまざまなヒューマン・エージェンシーがあり得る。
例:活動的で自律的なドライバー:「The speedometer measures the intensity of his emotions.」 / 受動的なドライバー



9 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/06 16:00 ID:???

質問、コメント等もこちらにどうぞ。
明日は10時半〜

10 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/07 09:29 ID:???

成績は最終課題でつけます。
人工物写真の送付の有無は関係無しです(携帯写真が送れない人もいるため)

11 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/07 10:46 ID:???

文化と状況的学習―実践、言語、人工物へのアクセスのデザイン (単行本)
上野 直樹 (著), ソーヤー りえこ (著)
出版社: 凡人社 (2007/03)
ISBN-10: 4893586297

認知的道具のデザイン (単行本)
加藤 浩 (著), 有元 典文 (著)
出版社: 金子書房 (2001/10)
ISBN-10: 4760892826

12 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/07 16:48 ID:???

発表会記録

グループ1 待たないデザイン・最初に全体の流れを示すべき・計画性、目的が不明・飽きちゃう子に対応→小集団の中でお互い助けられるようなデザイン
グループ2 (1)あの先生が目指したもの 個々に合わせた学習 やる気を出させる 自立性・主体性向上 1対1の個々のコミュニケーション(2)改善案 具体的な例を示す必要がある 時間を区切ってやる 目的を示す 算数についての導入をする
グループ3 あいまい(目的さきゆき不明) 導入悪い 個人差が顕著になりすぎ(挙手性・個別作業) 自由度が高すぎ→導入で目的、時間配分を示す 作業に制限をつける グループワークにしてもいい
グループ4 ペースがばらばら、引っ込み思案の子が隠れてしまう、だらだらしている、全体向けの指示を個々にしていて効率が悪い→全員参加がよい学習と定義 段階分けで進行 二人一組作業 早くできた子に進んだ課題
グループ5 問題点・学習進度の差が顕著、導入・まとめの不足、あいまいさ、時間配分の問題 デザイン・学習進度差を考慮した工夫→遅い子に対してのフォローと、速い子に対しての自主的な応用課題提示
内容の明確化・目的や作業の説明などを、例も提示してまとめの時間をつくる、子供達に発表の場と、先生がまとめて発信する場を 作業を一つに集約する
グループ6 授業内容の目的が不明瞭・答えが不明瞭・授業の進みに個人差がある・生徒が作る図形をどこまで想定できていたか?
改善策:授業にオチを付ける・個人作業ではなくグループワークを行う・時間を切る
グループ7 先生の目的→楽しく遊びながら自発的に発見する:先生が目的を解説しなかった…解決策:最後に気付いたことがないか生徒に聞く・生徒同士で相談する時間の確保、その内容の発表→最終的に先生が三角形の法則について解説する・子供同士の共同作業を促す
グループ8 @作業段階が多すぎ→段階を減らすA挙手性は個人差を顕著にする→段階毎に教示、流れをコントロールB全員への目配りが出来てない→机間巡視を満遍なく、周囲と見せ合い、話し合うようにする

グループ9 良@図形への興味喚起A挙手制で全体が把握可能B各自のペースでC達成感や満足感 改善点@趣旨を明確にA時間配分の効率化B時間配分を配慮C作品を全体で吟味


13 名前:石神(第一学群自然学類物理学専攻):2007/08/07 23:43 ID:S7S4u8eI

第一学群自然学類物理学専攻3年の石神といいます。
質問です。

エージェント、エージェンシーという言葉の意味がよく分かりません。
英和辞書を引いたところ、エージェントは主体者・行為者、
エージェンシーは作用とありました。
この意味でしょうか?
解説していただけるとうれしいです。

授業中に説明されたことがらだと思います。
あまり話を聞いてなくて申し訳ありません。
218.222.1.139 , wacc1s3.ezweb.ne.jp ,


14 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/08 08:56 ID:???

エージェントは主体者、行為者の意味でまさにその通り。
エージェンシーは主体者性、行為者性ということです。
つまり自律性とか能動性という意味です。
講義中、落ちてきた木の実には怒らない、殴られれば相手に怒る
とお話ししましたが、これはわれわれ人間が木の実にはエージェンシーを
認めず、人間にはエージェンシーを認めているということです。
その見分けがおもしろいと思います。分かりづらければ引き続き
質問してください。

15 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/08 10:41 ID:???

終講。3日間ごくろうさまでした。感想、質問等いただけると励みになります。

16 名前:石神(第一学群自然学類物理学専攻):2007/08/08 12:46 ID:8RlMTzow

授業をしていただき、ありがとうございました。
一番強く思ったことが、想定していた心理学の授業とは
ずいぶん違ったものだったなということでした。
新たなパラダイムを教えられている感じがしました。

グループで授業するという形式は面白かったです。
仲間意識が生まれました。
違うが狂いの人と話して意見をまとめる、
そしてそれを発表するというのはなかなか刺激的でした。

学習心理学の基本、というような本を読んでみました。
そうしたら、今回先生が話した内容はほとんど書いてありませんでした。
だから、この授業は結構高度な、最先端のことをやっているのではないかなと思いました。
学習心理学という科目名よりも、学習心理学特講という名のほうがしっくりくるなと思いました。

神奈川からはるばる、ありがとうございました。
いつか僕も横国に行って授業を受けてみたいです。
130.158.56.10 , brown7.tulips.tsukuba.ac.jp ,


17 名前:有元典文@管理者 ★:2007/08/09 05:46 ID:???

ぜひ横浜へもどうぞ。

18 名前:書けませんよ。。。:停止

真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ

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