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2008学校教育総合研究

19 名前:宮本安希子:2008/06/19 13:18 ID:???

学校教育専攻の宮本です。6月12日の講義録です。
今回「新たに求められる教師像」について発表させて頂きました。
発表の流れは以下の通りです。

題;新たに求められる教師像
(1)学校の教師
(2)教師像の変遷
(3)教育改革の中で求められる教師像
(4)考察

論議をする中で、浮上した問題は2点。
(1)そもそも聖職者とは何か?
(2)教師像とは政治的、時事的なものか?

(1)まず歴史から、
 1881(明治14年)当時の文部省は小学校教員に対して、
 守るべき心得を16項目に渡って示した。
 その中で小学教員が受け持つ普通教育の良否が国家の隆盛に
 極めて大きな影響を与えていくと述べ、
 「尊王国家ノ士気」を国民に教化していく事を使命とし、
 人格的な高潔さを持って人々の模範者であることを求めている。
 この小学校教員心得の制定は、国家が品行資質を規定する意味で、
 戦前の小学校教師像に国家主義的方向性を持たせた重要な変容であった。
 忠君愛国の道徳を中心として、教職を天職として国家意思に忠実な教師像を
 求めるべく制定したものであったといえる。
 また制定以来、教育に携わることを神から授けられた使命とし、
 清貧に甘んずることをよしとする伝統的な教職観としての
 「聖職論」が社会に浸透していった。

辞書的には、
 @人を導き教える聖職に従事している者。僧侶・神官・教師。
 A特に、キリスト教で聖職にある者。など








203.184.115.46 , 203-184-115-46.ap-e01.canvas.ne.jp ,


20 名前:宮本安希子:2008/06/19 13:19 ID:???

引き続き…

《補足》聖職者としての裏づけとして
◆ドイツの教育哲学者フリットナーは『一般教育学』の中で、
 「教育」という作用を自然的・社会的・精神的・人格的という
 4つの人間存在の条件との関わりで分析している。
 そして「教育」の作用を4つの視点から把握すべきであるとしているが、
 フリットナーの述べる教育の作用を担う教師の役割について、2つ取上げてみたい。
 「人間の精神を高め豊かにする諸価値への愛を呼び覚ます精神の覚醒者
 としての役割」そして、「被教育者との教育的な出会いを通して彼らのなかに
 信頼・希望・愛の泉を沸き上がらせる人格の覚醒者としての役割」とあるが、
 この覚醒者という記述がいかにも聖職者的教師を裏付けているように感じ取れた。

(2)日本の教師の歴史を考察するにあたり、明治維新以前と以後では教師が行なう
  教育活動の性質に大きな違いがあったことは確かである。
  それは、個人的な教育と国家事業としての教育、あるいは制度化されていない教育と
  制度としての教育である。
  もともと教師の役割が、被教育者個人の自己実現の課題に対して果たす教師の責務である
  と言えるが、この働きそのものが社会の維持・発展に直接結びついていくものである。
  教師の「人づくり」による社会への貢献が、身近な地域社会レベルのみならず
  国家発展にもつながり、さらにグローバリゼーションが進展する今日の国際社会においては、
  地球規模における人類の発展にもおそらく繫がるであろう。
   以上のように、教師の役割自体は普遍的なものではあるが、
  その時代に求められる教師像とは、時代と共に変遷していくのでないかと考える。
  国家の政策が変われば教師“像”は変わるのではないかと結論付けた。



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