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2008 教育の心理学

18 名前:大橋一貴:2008/12/09 22:28 ID:Udp1tdDE

第7回講義録 2008/12/08 晴・曇

●配布物
ワークシート06
「デザインド・リアリティ」T章より(教科書 pp.19〜24に相当)

●社会文化的サイボーグ
・道具(や仲間)→ 個人の能力を飛躍的に向上(ex. しおり→記憶力)
・道具を使っていろいろできる = 道具なしではできない
 → 一人では主体たり得ない
    ↓
【(人間の行為の)人工物(artifact(s))との不可分な一体化】
ex. 演奏者の主体性は自律(立?)的・独創的ではなく、むしろ社会的・文化的・歴史的
 ← 楽器、楽譜(作曲家)、他の奏者や技師、(聴衆も?)…との集合体の一断面
  ・その行為が周囲に「音楽」と認めてもらえる程度の枠に収まる必要性
    ↓
【演奏者は「社会文化的サイボーグ」】
・私たちは集合的な生き物 ← 社会文化の力が織り込み済み
 ・人工物を奪うこと = 行為者の能力を奪うこと

●人工物と一緒に
・学校は「個人に」認知的負荷(load)を与える場所
 ・ミスを誘発させ(それを乗り越えることで)「一人で」何でもできるように
  → 人間の集合性との矛盾
    ↓業務の現場では逆に…
・負荷を減らせば、ミスは減る → 教育可能性を拡大できる
    ↓
・業務への道具(人工物)の導入 → 業務研修の効率化

●社会文化的コーヒーメイカーズ
・注文内容 → [短期記憶] → 反復復唱(リハーサル) → [長期記憶]
・短期記憶は7±2項目が限界(実務には圧倒的に不足)
    ↓
【認知的負荷の軽減】
・「書いて、忘れる(忘れる為に書いてしまう)」記憶術(mnemonic)
    ↓
【店員の(社会文化的)注文記憶サイボーグ化】

●WORK1:身近な「認知的負荷の低減(軽減)」の具体例
・背番号(相手の顔や名前を知らずとも個々人の区別が可能に)
・生徒や顧客の情報のファイリング(どちらかというと整理よりは蓄積の意味で)
・電話の内容のメモ取り
・家庭におけるカレンダー(家族全員の予定把握の効率化)
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19 名前:大橋一貴:2008/12/09 22:33 ID:Udp1tdDE

(せっかく感想を書く流れなので)

「それまでは修業的な努力でやっと可能になった業務課題が、そこらの凡人でも紙とペンがあれ
ば易々とこなせるようになるのは、とりわけ社会には大きな利益である一方で、個人の能力の向
上機会を奪い、結果的に人間の能力を低下させるのでは」との指摘も当然あるだろうなあと。
ex.
・携帯電話(の電話帳機能)→記憶能力低下
・インターネット(の検索・百科事典・レポート共有サービス)→大学生の質の低下
・学校でのグループ学習→往々にして「できる子任せ」(違う?)    など…

かといって個人の能力の向上こそやはり正義なわけでもなく、先の指摘そのものが、そもそも(日
本の)学校が「道具/ツールの(利用よりむしろ)活用」「他者との協力/コミュニケーション」に関わ
る教育を蔑ろにしてきたために起こるもの、ってことかなあという発想に行き着きました。

総合的な学習の時間や、高校の教科情報などが受ける誤解も、これらが先鋭的にそれらの分野
を盛り込んだためで、結果主義の世の中でこういうのが認められるには、成果が揃うまでどうして
ももうちょい時間が要るんだろうなあと考えてしまいます。
最後は情報科志望のぼやきになってしまいました。長くなってすみません。

133.34.74.66 , ngmBB.edhs.ynu.ac.jp ,


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