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2009学習心理学講義(-特論)

42 名前:佐藤:2009/07/13 00:18 ID:3gIrE77g

<概要>
 幼稚園の教室(具体的には砂場コーナーと芸術コーナー)をフィールドに
して、それぞれの場所で行われる幼児の遊びの観察から、幼児の認知の獲得
に個人的な力、局所的な力、文化的な力の3つの力が作用していることを
論証しようとしている。
 砂遊びでもお絵描きにおいても、観察対象になった2人の幼児に
局所的な力、文化的な力を媒介として分散認知が成立するとしている。
<討論>
 3つの力が幼児の認知に作用しているという説明は分かりやすいが、
それぞれの力の内容説明や、力相互の影響の仕方などについては、
あまり深い分析はない。
 ケニーとマークの個人的な力についての定義が、両親の証言だけによる
というのは、客観性に乏しいのではないか。
 限定された場所(局所)と遊びの中での幼児の認知という条件だが、
一般の大人の知能の拡張の説明には、どこまでが使えそうなのか。
<感想>
 4月からの授業全体の感想ですが、教育や学習をもっぱらpedagogyの
面からしか見ていなかった私に、全く違う側面からそれらを考える機会
となりました。有元先生のコメントの内容は、私には勉強不足で分から
ないものが多かったのですが、「主体や個人の才能・能力なんてあるのか」
という命題が心理学では問題になるということが、私には非常に刺激的な
ものでした。まるでマルクス主義の基底還元論のようで、学生時代の議論
を思い出します。
脳科学の研究で知能や感情の成立自体も脳の仕組みからすべて説明でき、
「脳力」を鍛えれば誰でも素晴らしい能力が身に付くような見解が振りま
かれています。先日のNHKの番組で、プロの棋士は子どもの時から毎日
3時間以上は集中して将棋を指したり棋譜を研究しているそうです。
その結果、アマチュアよりずっと早く指し手を考えたり、将棋を指すとき
に使う脳の部位も常人とは違う部位だということでした。そうした脳力と
係わる外部の存在(同心円的な外部の力)はどんなものなのか、
学習心理学を学んでみると関心があります。
教科教育では、分散認知や状況的学習の理論を理解して実践に取り入れて
いくことは、非常に有効だと思いました。

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