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2007 教育の心理学
- 12 名前:村瀬達哉:2007/11/05 17:54 ID:YTs4jXaU
- 第4回講義録
配布物:ワークシート04
・高次精神機能の文化性
前回までの授業で、人間や犬などはそのものを含む外部の諸要素とのダイナミクスであると定義した。
同じように、精神活動もまた社会文化と不可分であるということを「恋愛」をテーマにして考えた。
源氏物語の中の世界の「恋愛」と、あるいは50年前の日本の「恋愛」と今のそれを比較したとき、
それは同じものであるとは言えないだろう。
アイヌの人たちが小刀を送って求愛するのと、バレンタインデーにチョコレートを贈って求愛するのは
同じ意味を持つ行為であると言えるのだろうか?
※精神は万国共通であるという考え方もあるが、それでも細かな部分は文化によって異なる。
例えば「色」の名前は文化によってその数の多少が見て取れる。(虹の色など)
名前をつけて区別するということは、世界の認識の仕方を変えるということに等しい。
・媒介
人間は思っただけで意思が伝わる訳ではないので、
前に述べたように小刀やチョコレートのような「人工物」を介して意思を伝える。
言葉やメールのような物質でないものも、人間を外の世界とつなぐという意味で同じである。
この人工物を「媒介」と言う。
例えば「暦」という概念がない世界では、今日が何日かということは認識できない。
よって、記念日のようなものは消滅して歴史的な記録もできなくなってしまうし、
長期的な計画を立てることもできなくなってしまう。
「時間」というものを人間が認識するためには、秒、時間のような概念を媒介にしなければならないのである。
※「媒介」は、ロシア-ソビエト心理学に端を発する考えの基礎となる概念である。
ヴィゴツキーは、主体(S)が対象(O)を認識するときに(S -> O)、
媒介(M)を介している(S -> M -> O)と唱えた。
12、19日は休講になります。ワークシートの途中からです。
第1回に配られた論文を読み、「児童・生徒」とは誰かを考えておいてください。
作業中に、「恋愛の概念を知らない人」の例として「宇宙人の人類学者」と先生が言っていたのを聞いて
オリバー・サックスの「火星の人類学者」という本を思い出しました。
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