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2007 教育の心理学

17 名前:吉川麻美:2007/12/06 03:27 ID:zD0qv6qQ

第6回講義録

《配布物》
ワークシート06

《内容》
○認知心理学の歴史

1950〜 行動主義の時代
行動主義の時代には、心理学は物理学の一部として
人間の心を科学的に捉えようとし、physics-envyとも揶揄された。
ここでは、生物の行動は単純に、S−R(刺激―反応)のセットであるとされていた。

1970〜 認知科学的研究の始まり
認知科学的なアプローチでは、コンピュータをメタファーとし、
人間の脳を“入力⇒情報処理(記憶)⇒出力というプロセスとして捉えた。
特に、情報処理(information processing)の部分をコンピュータでモデル化するという点で、
主体の「内部」に着目する画期的なものであった。
しかし、科学的な側面を残しているため、社会や文化、環境といったものは、
人間の「内部」の知性のシステムに影響を与える「外部」のものとして扱われていた。


○状況的認知研究

行動主義や認知科学的研究に対し、知性の社会文化的な成り立ちに注目する流れも見られた。
こうした社会文化的側面に着目した認知研究は、
人間の知性を単なる情報処理システムとしてではなく、
状況に埋め込まれた(sitated)性格を持つものとしてとらえようとするものである。
・比較文化的認知研究:ソビエト心理学の流れを受ける
・生態学的妥当性を考慮したもの
・社会学、文化人類学における認知研究
・日常的認知研究:計算、分類、記憶など
ex)Street Math:商売における計算はできるが、学校で学習する筆算などはできない
 ⇒学校での学習の意味がゆらぐ結果に

これらは「状況的認知研究」と称され、人間の精神を皮膚の内側だけでなく、
外部にあるものとセットで見ようとした点で、それまでの心理学とは一線を画していた。
人間の認知的な活動を、状況(situation)から眺めることは、
観察単位を人間単独から、人間が文化歴史的に構築してきた
あらゆる認知的資源を含む大きな単位へと変容させた。

121.105.41.126 , KD121105041126.ppp-bb.dion.ne.jp ,


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