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2008生態学的学習論演習

15 名前:中村 唯:2008/06/11 11:10 ID:bIWCXpHU

第5回(6/3)講義録
Practical Nursing(実践的看護技術)の論文について

2000年代前半(?)、フィンランドでは複雑な官僚主義、高齢者、慢性病者の増大から
健康・社会福祉サービスの在り方の見直しが必要とされる時期が到来し、健康・社会福祉教育では
これまでの垂直的な専門知識(狭い専門性)から水平的な専門知識(Practical Nursing)を身に着け
させる必要が出てきた。
そしてこの水平的な知識を作り出す教育・訓練とはどのようなものか?が問題となった。

基本的にこれは転移の問題であり、新しい諸状況に対応するために活動理論に
基づく拡張的学習(expansive learning)(Engestrom.1987)を取り上げる。

活動理論では、学習の単位を再定義し、従来心理学の対象とされてきた「個人」の学習ではなく
「集合的(collective)活動システムそのもの」の学習に焦点をあてるものである。
活動システムの学習が理解されて、初めて個人の学習は理解可能になる。よい学習の
過程は集合的活動によって達成される。つまり意味のある転移は集合的活動システムとのインタ
ラクションで生起する。ある状況から別の状況に転移するのは、知識と問題解決方法の協同的な造り上げであり、
共通の知識等を共有することにより組織双方が成長していくことを
開発的転移(developmental transfer)と呼ぶこととする。

Helsinki Institute of School and Health Careの3年間における教育期間のうち、
インターンシップ期間に注目し、開発的転移、水平的専門知識、ZPD、の3つの観点から詳述する。

@開発的転移
 転移は知識の持ち運びとして研究されてきたが、状況理論によれば、知識は状況に
 埋め込まれており、可搬知識(学校で教える知識は全部可搬的なはず…)の考え方は
批判される(Beach 1999,Lave 1988)。転移は集合的活動システム同士のインタラクションから
 生じ、知識の技能を移送するための積極的解釈と再構成に他ならない。

133.34.231.146 , pc-b016.ipcf.ynu.ac.jp ,


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