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2009 エコロジー@学習院
- 27 名前:有元典文@かんりしゃ ★:2009/05/13 14:00 ID:???
 
-  平成21年5月13日(水)第2回講義資料(講義パワポ全テキスト) その2 
  
 実験1 オーダーされたドリンク名を10個、順番通り答えてください。 
  
 実験2「次にカップを見て、オーダーされたドリンク名をもう一度10個順番に答えてください。」 
 3名ともがオーダーされたドリンク名を全て順番通り正確に回答した。 
 こんなことはばかばかしいほど当たり前? 
 では逆に、なぜ記憶実験や学校では、わざわざ私たちの日常の当たり前の工夫を停止するのか。 
 当たり前の工夫を停止することで一体何を試しているのだろうか? 
 人間は自分の頭で憶えておくことが苦手なので、かわりに紙カップに憶えさせ、社会文化的な注文記憶サイボーグになったのである。 
  
 思考実験2 
 あなたのバイト、部活、サークル、家庭でのこうした「認知的負荷の低減」の例を考えてみてください。 
  
 ヴィゴツキー→私たちのこころは社会の諸関係のアンサンブル(総体) 
 珈琲店で見られた主体性、自律性 
 =道具に頼り、仲間に頼り、ルールや制度に頼ってそれらのアンサンブルとして成り立っていた。 
  
 私たちはことばをも含んだ人工物をもって環境を表現する。 
 そうした人工物なしに、いま・ここでの私たちの思考はない。 
 人工物の制約の中で人間にとっての環境の本質は成立する。 
  
 思考実験3 
 「犬」という単語を用いずに犬を人に伝えるには? 
  
 私たちは社会の中でうまれ文化の中で継承されてきたさまざまの人工物を用いて世界を作り上げ、主体性を形づくり、そして世界を経験している。 
 環境とは?:距離とは?高さとは? 
 手元にあって利用可能な人工物ひとつで、私たちの内なる「意図」や「計画」「欲望」は変わってくる。 
 人工物:「携帯電話」 
 →計画:「待ち合わせ時間場所のルーズな決定」 
  
 人間にとっての現実は 
 デザインされた現実(designed reality) 
 デザイン→今ある現実に人間が手を加えること。活動のための環境の改変 
 自然の人工物化/人工物の再人工物化≒artificialize 
 デザインとは「対象に異なる秩序を与えること」 
 人間にとっての環境は文化的にデザインされている。 
  
 100円のビーチサンダルは私たちの知覚可能な環境の意味を変える。 
 人間というハードウェアの限界を変え、炎天下の砂地を歩行可能な場所として知覚させる! 
  
 運命を再デザインする 
 人間の可能性: 運命的なことはデザインで変わり得る(100円で足裏の耐熱性能を向上) 
 そもそもdesigned realityを生きているのだから、realityはまた再デザイン可能なはず 
 生命維持可能な環境とは? 
  
 獲得形質は遺伝しない。 
 自分たちの世代のたくわえを次世代に伝えるには、世界の見え方を伝承するための特別な実践が必要 
 ↓ 
 その特別な実践のことを私たちは「教育」と呼んでいる。 
 自分たちの世代の世界の見えを次世代に伝え、この世界の見えを「再生産」するために、私たちは教えと学びという営みを必要とする。 
  
 動物とは違う<拡張された現実>を生きる以上、動物とは異なる後天的な伝承のプロセスを種として必要とする 
 種の存続の基本条件として学習のプロセスを埋め込んだ存在が人間 
 なぜ学ばなければならないのか、子供や初心者は問うだろう。それは人間を維持するため。 
 ↓ 
 人間としての環境の知り方を維持していくため 
 
- 28 名前:有元典文@かんりしゃ ★:2009/05/13 14:02 ID:???
 
-  平成21年5月13日(水)第2回講義資料(講義パワポ全テキスト) その3/3 
  
 応用編(他者という環境) 
 社会的動物である人間にとっての一番の環境は他者、社会 
 他者とは?→自分ではないこと。コントロールできない身体。 
  
 実験1 
 隣の人と目を見て握手してください。 
 隣の人が誰か(知人?知らない人?)&握手をしてどう感じたかノートに記述 
  
 他者とは、友達とは、家族とは… 
 属性が明示されているわけではない 
 一定のルールを実践している 
  
 実験2 他者にする、他者になる 
 他人相手にしてはいけないことを思いつく限りノートに列挙してください。例:じっと見る、触る 
  
 「他人」化の実践 
 関係を実践する 
  
 実験3 恋愛とは? 
 恋愛関係にあるとはどのような行為をすることか、またしないことか。文化的ルールを列挙してください。例:好意を伝える・接触しても避けないetc 
  
 まとめ 
 ひとは社会の中へ、すでにデザインされた世界の中へ、その後継者としてあらわれる。ルールとふるまい、意味と価値がすでにひとびとによって運用されているその途中からに参加する。初心者や新入りも同じこと。かれらの参加を待ち構える世界は、既に先達の実践によって秩序だっている。 
  
 私たちがデザインド・リアリティと呼ぶのは、こうしてひとびとの実践によって維持され、再生産されている秩序だったこの世界のことである。だから、ひとびとの日々の実践と教え・学びは不可分なことである。生きていくことは、人間にとってはすなわち、教えたり学んだりすることなのである。 
 以上 
 
- 29 名前:書けませんよ。。。:停止
 
- 真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ
 
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