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2009教育の心理学

1 名前:有元@かんりしゃ ★:2009/10/16 19:01 ID:???

後期月曜2限教育の心理学講義録及び対話用

2 名前:有元@かんりしゃ ★:2009/10/16 19:03 ID:???

過去スレ
2008年度記録 http://cgi.arimoto.com/bbs/test/read.cgi/lecture/1223249491/
2007年度記録 http://cgi.arimoto.com/bbs/test/read.cgi/lecture/1191188541/
2006年度記録 http://cgi.arimoto.com/bbs/test/read.cgi/lecture/1159674622/
2005年度記録 http://cgi.arimoto.com/bbs/test/read.cgi/lecture/1129502298/
2004年度記録 http://cgi.arimoto.com/bbs/test/read.cgi/lecture/1096356197/

3 名前:有元@かんりしゃ ★:2009/10/19 13:39 ID:???

本日の投影資料
本日の目的:
1.人間の集合的性質、2.参加としての学習、3.動機のデザイン
●ワーク1:長さを測る
間隔がちょうど10cmとなるような2点を、目分量でノートに打ってください。
×
×
メートル法, 1791年 フランス
地球の北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1 (測定:1792-1798)
1875年にメートル条約 (日本加入 1886年(明治19年))
日本のメートル原器は"No.22"で、国際メートル原器との差は0.78μm
1791年までは、人間は「10cm」を計ることが出来なかった
25mプールも100m走も・身長177cmも・
10ヘクタールの農地も・「100m先を左折して」も・地上333mも
分からなかった
●ワーク2:ドレミを歌う
今から鳴らす5つの音に連続する次の音を頭の中で鳴らしてください
音階(平均律)
前4世紀ごろ ヨーロッパ/447年 中国/1692年 日本/ピアノ, 17世紀後半
生まれつきの人間には(その可能性はあっても)
長さを測る能力も
時間を計る能力も
音階を聞き分ける能力も
ない(その直観も意図も)
人間とは一匹のイキモノではない
一人の人間も歴史と文化の集合体
何時に起きますか?何時に昼食を食べますか?
それを決めるのは身体の仕組み?
パーソン・ソロと パーソン・プラス(パーキンス, 2004)
パーソン・ソロ:教室の中で「自分の周囲に資源を持たない生徒」
パーソン・プラス:「周囲に資源を持つ生徒」
学校は「パーソン・プラスをパーソン・ソロにしようとする運動をし続けている」
「生徒が学校を卒業したあと生活できるように準備をすることが,学校の使命に含まれているのならば,パーソン・ソロに近いものへの固執は“実社会”からずれている」
「ほとんどの生徒は認知を分散する術についてたくさん学ばなくてはならず,学校はそれを手伝うべき」(pp. 127)
「能動的思考者は周囲を豊かな周辺に作り上げ,パーソン・ソロでは手に入れられないような結果を得るために,周辺とうまく相互に作用しあう」
本日の目的3つは何?
●ワーク3:電球が輝くメカニズムを説明してください
○物理的なメカニズム
フィラメントの抵抗
○社会文化的なメカニズム
ソケット・電気・発電所・電力ビジネスモデル・インフラストラクチャ・公共料金自動引落システム・など
電球は電球単体では輝かない
しかし、教育の対象は個人
それはまるで、電球が光るのは電球の内側の作用であるとただ直観して、発電所や電信柱や公共料金自動引き落としの存在を忘れていることと同じである。
社会文化的サイボーグ
サイボーグ=人工的な器官と一体化することで、生まれつきの能力を超えた人間
私たちは皮膚の外の世界の人工物と一体化し、知識・技能をインストールされてできあがったサイボーグ
社会文化と不可分
ただし、社会文化から離れて自律はできない
暗闇でも移動する能力をもつが、例えばそれは懐中電灯と一体化している時だけ
私たちは世界を道具ごしに経験している集合的存在

4 名前:有元@かんりしゃ ★:2009/10/21 11:40 ID:???

--== 教科書販売のお知らせ ==--
10月26日(月)授業最後の20分、11:40-12:00に出版社が来て
著者割引1900円にて販売します。必要な方はご利用ください。

5 名前:瀬戸 亜由美:2009/10/21 16:00 ID:FFt6nVFY

◆第一回講義録
●配布物
 過去の試験問題(教科書販売のお知らせ)

●本日の目的
・人間の集合的性質
WORK1:10cmとなるような2点を目分量で打つ
→メートル法は人間が作ったものであるが、共通単位となっている。
私たちは生まれつき持っていない機能、自然の中にないものをインストールして
生きている。
WORK2:ドレミを歌う
→音階は空気の周波数を均等化させたものであり、後天的に人間が作って身につ
けた能力である。
生まれつき人間には長さを図る能力も時間を計る能力もない。しかし今は持って
いる。
→これが教育!!
人間は歴史と文化の集合体である。

●パーソン・ソロとパーソン・プラス
学校はパーソンソロをパーソンプラスにしようとする運動を続けている。
例:辞典を使ってはいけない漢字テスト
これは実社会からずれている。児童は認知を分散させる術について学ぶべき。

WORK3:電球が輝くメカニズムは?
→物理的:フィラメント  社会文化的:インフラストラクチャ、ソケット 等

社会文化から離れて自立はできない

★結論:私たちは世界を道具ごしに経験している集合的存在

感想
 私の予想していた「心理学」の授業のイメージとは大きく違った授業でとても面白かったです。
パーソンソロに近いものへの固執は実社会からずれているというお話がありましたが、

では学校は漢字テストや九九の暗記をなぜ児童にやらせるのでしょうか。
覚えた方が便利だから、という理由だけでなく、覚える過程での学びに意味があるのでしょうか。

教育について深く考えることが苦手な私にとって、
難しくはありましたが
とても考えさせられることがある講義でした。


121.111.231.40 , wb56proxy06.ezweb.ne.jp ,


6 名前:有元@かんりしゃ ★:2009/10/26 07:38 ID:???

>>5 瀬戸さん、丁寧な講義録と感想をありがとうございます。

> では学校は漢字テストや九九の暗記をなぜ児童にやらせるのでしょうか。
> 覚えた方が便利だから、という理由だけでなく、覚える過程での
> 学びに意味があるのでしょうか。

こうした問が湧いてきたことが素晴らしいです。
将来教育に携わるみなさんと一緒にこの答えを模索するのが
この講義の目的です。私にも答えはまだないのです。
ただどの業種でも、養成期にはその求める職能の原始的なバージョンを
教える気がします。ジャンボジェットのパイロットも小さい飛行機で
訓練する。そこらへんがヒントだと思います。

7 名前:有元@かんりしゃ ★:2009/10/26 21:54 ID:???

本日の投影資料
参加としての学習
必要とすべき課題を、苦労なくほとんど誰もが身につけられる教授方法があれば、それは教育の夢である。しかし、その夢は、私たちのふだんの暮らしや仕事の中での学びでは、当たり前に達成されていることが多い。“デザインド・リアリティ”より
コスプレ写真等
コスプレは個人の独創ではなく文化的実践
R:誰でもコスプレができるようになって、マナーの悪い若いやつが増えてきて、そういうのは問題ですね。いきなり来て(写真を)撮って行ったり、普通に街中をコスプレして歩いたりとか。そういうのはほんとやめて欲しい。
[R、27歳、女性、社会人]
T:とられたはダメですね。とにかく注目を浴びたくって、そういう格好をする人がいるんですけど、露出すればカメコが集まるのは当たり前なので。
[T、21歳、女性、大学生]
日本人らしさ、性差、コスプレ…etc。経験によって、できなかったことができるようになることを学習と呼ぶならば、これらも学習
学校の学習との違い:
驚くほど多くの人がほぼ間違いなく習得すること、
ほとんどの場合それらしい苦労を伴わないこと
佐藤(1985)は、暴走族のエスノグラフィーを行っている。暴走族の暴走は、単に無秩序に車やバイクを走らせる行為ではなくなかった。ある暴走族の暴走には、車が先頭で、単車は全て車の後ろを走るという隊列が存在した。この隊列には、暴走中の単車と車の事故を軽減させることや、車がパトカーから逃げやすくする等、独自の意味が存在していたという。佐藤は、暴走族の文化が独自の価値観や秩序に従った実践によって構成されていることを示している。(森下, 印刷中,「ワードマップ 社会・文化・活動の心理学)

8 名前:大和信治(有元代理投稿)@かんりしゃ ★:2009/10/29 17:07 ID:???

◆10/26 第2回講義録
●配布物
 ワークシート1「実践を伝えること」
●本時目的:参加としての学習
●私たちは日常生活に必要なことは、学校の外での学びにおいて、それらしい苦
労なくほとんど誰もが身につけられる。
ex)日本語、振る舞い方
●学校外での学習の一例としてのコスプレ
・学校での勉強よりもはるかに熱心に学ぶ。
・単なる独創ではなく、文化を共有し、ある秩序、理想を志向している。
・独自の価値観や秩序に従った実践によって構成されている規則的で合理的なも
の。
・社会から負の評価を受けないように、独自のルールを決めて、伝統を守ってい
る。

●WORK1:映像を見て、「暴走族」と「走り屋」を特徴付ける要素を探す
・服装、体の使い方、隊列、エンジン音、etc.
→これらは、彼らのアイデンティティを示すものであり、五感で認識できる。
・彼らもまた、独自の秩序や理想を目指して暴走したり、走ったりしている。

●WORK2:自分の中で生まれつきの要素と社会文化的な要素を挙げる
・生まれつき:DNA、血液型、性別
・社会文化的デザイン:服装、髪型、アクセサリー、におい

☆結論
私たちは、生まれつきの体に、ある秩序や理想を志向するために、性差による所
作、服装などの文化的な記号を身につけて生きている。
ex)男らしさ、かわいらしさ、学生らしさ

以上

○感想○
日常生活に必要なことは、学校の外で身に付けられるなら、なぜ苦労して公式や
漢字を暗記させる必要があるのか。
コスプレや暴走族のきっかけは、何かへの「憧れ」だと思う。学校での勉強が子
どもの憧れへのステップだと伝えられれば、熱心に勉強するだろうか。
しかし、勉強は本当に憧れへのステップだろうか。また、勉強することは「憧れ」
そのものではないのではないか。
学校の存在意義がわからなくなってしまいます。

9 名前:有元@かんりしゃ ★:2009/11/02 11:57 ID:???

>>8 大和さん、講義録ごくろうさまです。
大事な感想をありがとう。

> 日常生活に必要なことは、学校の外で身に付けられるなら、なぜ苦労して公式や漢字を暗記させる必要があるのか。
答えはこれから捜していくことです。さしあたり私は文化の再生産の為だと思っています。

> コスプレや暴走族のきっかけは、何かへの「憧れ」だと思う。学校での勉強が子どもの憧れへのステップだと伝えられれば、熱心に勉強するだろうか。しかし、勉強は本当に憧れへのステップだろうか。また、勉強することは「憧れ」そのものではないのではないか。学校の存在意義がわからなくなってしまいます。

野球少年は野球技術を勉強したくて野球してるのではなくて、あの選手のあんな活躍にあこがれているのです。理科少年だって理科の知識をぱんぱんに身に付けたいのではなくて、あんな発明をしてあんな檜舞台で講演したいのにちがいない。学校では手段と目的の転倒が起きてしまう気がします。ストレートにあこがれに向き合えたら良いのに。

10 名前:大木美穂(有元代理投稿)@かんりしゃ ★:2009/11/04 13:18 ID:???

◆11/2 第三回講義録
●配布物
ワークシート02
●授業内容
〈前回のまとめ〉
・サブカルチャーにおける学び
暴走族もコスプレも、一つのものを思考し何かを目指したコミュニティである。
→ある社会的秩序(social order)を志向している点において異常なことではない。
彼らのやっていることの中にルールがあり、コミュニティが成立している。
→誰から教えられることもなく一生懸命学んでいる。
〈学校における学び〉
・なぜ学校で教えるのか?
→再生産のため。文化が途絶えないように。
しかし、「勉強しなきゃ」だけで、先が見えていない。
ex.)将来どう役立てていくのか。今学んでいることを使う産業は何なのか。

→手段が目的化してしまっている。教育が陥りやすい罠である。

〈教科書の範囲〉p.1-20
・教科書のねらい
人間の実践(practice)に焦点をあて、人間が集合的(collective)な存在であることに注目し、何のために学校があり、教育をするのか考えていく。
・主体性とは
頁番号、メモ、文字、音楽、時の流れなど
→人間の主体性が集合的であるという例。共通の理解を助けるものであり、これらは人間が作り人間が名前をつけた。

〈本日のまとめ〉
私たち人間が何かをする全ての瞬間の背景に歴史的な技術の洗練が隠されており、このように集合的な存在(アンサンブル)であることが人間の基本的条件である。

〈宿題〉worksheet:WORK1
「私たちの行為は万事が人工物との不可分な一体化を前提としている」ことの例を挙げてくる。

●感想
人間が集合的な存在であるという例から、私たちいかにが無意識のうちに相対性な世界で生きているか考えさせられました。
また言葉も音楽も常に変動していることに目を向けると、かつて誰かが編み出した言葉という手段を使う自分が、同時にその言葉というものを少しずつ変化させ作り出しているのだなと思います。
言葉もなく、フィルターなしに見る動物にとっての世界がどんなものなのか、私もすごく気になりました。

11 名前:有元@かんりしゃ ★:2009/11/08 11:06 ID:???

>>10 大木美穂さん、講義録ごくろうさまです。

> 感想
> 人間が集合的な存在であるという例から、私たちいかにが無意識のうちに相対性な世界で生きているか考えさせられました。

「相対的な世界」という表現で、現実の世界が揺るぎなく絶対的ではなく、人工的に作られた記号やコトバ、道具といったものによって変化し得る、ということをまとめてもらいました。単純な例で言えば、「満塁」というコトバ(概念)を用いるかしないかで野球の理解はまるでちがう。

> また言葉も音楽も常に変動していることに目を向けると、かつて誰かが編み出した言葉という手段を使う自分が、同時にその言葉というものを少しずつ変化させ作り出しているのだなと思います。

「やばい」というコトバが褒めコトバになったり、"bad"や"awful"が良い意味の形容詞になったり、「微妙」というのが悪い意味になったり、時代によって表現は変化し続けています。意味やルールは我々の、人々の使用の中で決まっていくのであって、辞書や文法書はその後を追っかけてるわけですね。

>言葉もなく、フィルターなしに見る動物にとっての世界がどんなものなのか、私もすごく気になりました。

このこと、つまり「相対的な世界」を追求することは知的におもしろいです。絶対だとおもった世界がぐらっとするからです。相対的な世界を知るひとつの局面は、初心者や子供の見る世界です。初心者にとって道具や楽器やチームや課題がよそよそしく使いづらく、自分のモノになっていない状態。その状態はフィルターなしに見る世界だと思います。もうひとつは異邦人の見る世界。講義でも話しましたが、よその土地や外国に行ったときのあの街のよそよそしさは、一方でそこに住む住民にとってはまったく経験されることのないこと。こうして世界にはさまざまな相貌があることを知るのは面白い。自分にとっての当たり前が誰か(初心者、子供や異邦人)にはよそよそしい。教育というのはこうしたよそよそしさを減少させ、学習者を仲間に引き入れていくことではないでしょうか。

12 名前:本田智大(有元代理投稿)@かんりしゃ ☆:2009/11/11 22:02 ID:aFvThUrc

◆11/9 第四回議事録
●配布物
 ワークシート03
●本時の目的
 人間の主体性はどのように生まれるのか。
●授業内容
 1、前時の復習
 2、社会文化的サイボーグ(教科書p19,20)
  ・人間の特徴として道具(歴史的文化や蓄積)に頼り道具とセットにして初めて主体性が生まれる。
  ・この道具達によって主体性が生まれるという視点から、サイボーグである。
  ・アーティストですら大学で修練していたという過去とのつながりからオリジナルではないのだ。
 3、人工物と一緒に(教科書p21,22)
  ・人間にはSTM(短期記憶)とLTM(長期記憶)がある。
  ・STMは30秒程度しか記憶しておらず、個数も5〜9個である。
  ・first in→first out 初めに言われたことを初めに言う。
  ・機械的なことはシステムに任せて人間は人間の得意なことをしている。
それは自らの作りだしたものを最大限に利用することである。
  ・学校はパーキンプラスをパーキンソロにしようとし続けており、時代に逆行し人間の本質に背いている。
 4、社会文化的珈琲メイカーズ(教科書p21〜24)
  ・記憶の工夫「3、人工物と一緒に」の一例(某珈琲店のオーダーシステム)
119.83.143.188 , 188.net119083143.t-com.ne.jp ,


13 名前:本田智大(有元代理投稿)@かんりしゃ ☆:2009/11/11 22:04 ID:aFvThUrc

続き
●宿題
 ワークシート03
「ワーク1:あなたのバイト、部活、サークル、家庭でのこうした「認知的負荷の低減」の例を具体的に挙げてください。」
●まとめ
 ・人間の行為は万事が人工物との不可分な一体化を前提としており、その中で主体性が生まれている。
 ・人工物を最大限利用することで人は主体性の幅を広げている。
●感想
  人間は社会文化的サイボーグという視点は考えもしなかったことで私にとってとても興味深かった。
 彼らも人間も本質的には「子孫を残す」という点で変わりはしないのに、なぜここに相違が生まれるのか。
 なぜ人間は音楽を愛するのか、スポーツで競うのか、人生を楽しむのか…
 考えてみればこうした疑問はいくつもでてくる。人に理性があり、思考があるが故の産物なのか。
 「便利な世の中になった。」という言葉も、人間がああしたいこうしたいという欲が前提にあるからこその思考か。
 子孫を残すのにテレビはいらない。
 話がそれてしまったがこうした考えが膨らむばかりである。歳を重ねるごとにサイボーグになっていく気がした。
  講義の中でオリジナルなどなくコラージュの繰り返しである。とありましたが、では、オリジナルとはなんなのでしょうか?
 もはや、コラージュがオリジナルとして認識できるのではないでしょうか?
  私は記憶の工夫としてチェックボックスにチェックをし、記憶を外在化させるという方法に人間の素晴らしさを感じますが、
 逆に人間本来の能力の衰退でもあるのでしょうか? 
119.83.143.188 , 188.net119083143.t-com.ne.jp ,


14 名前:有元:2009/11/16 09:40 ID:???

>>12-13 本田智大さま、講義録ありがとう。

>なぜ人間は音楽を愛するのか、スポーツで競うのか、人生を楽しむのか…

もちろん人間のハードウェア(脳や直立歩行、器用な手など)に由来することでもあるでしょう。
それ以上に、生まれたときから音楽があり、スポーツがあることも理由ではないでしょうか。
なぜ女子中学生は男子に狂おしくチョコをあげたくなるのか、考えてみてください。
ハードウェアでは説明できないでしょう。

>歳を重ねるごとにサイボーグになっていく気がした。

同感です。明日世界が滅びたら、過去の遺物を探し利用するしか出来ない。
きっとライターなしに火もおこせないでしょう。だから、この現代の知恵を
保存するためにも教育はあるのではないでしょうか。

>講義の中でオリジナルなどなくコラージュの繰り返しである。とありましたが、
では、オリジナルとはなんなのでしょうか?

それいつも悩んでいることです。作品の中と言うより、受け手の側にあると
いうのが今の考え方のようです。便器をひっくり返して泉と題した現代美術が
ありますが、このオリジナリティは作品の中にあるのでしょうか。

>私は記憶の工夫としてチェックボックスにチェックをし、記憶を外在化させる
という方法に人間の素晴らしさを感じますが、逆に人間本来の能力の衰退でも
あるのでしょうか?

そもそも人間本来の能力ってなんだったのでしょうか。
毛のない弱い猿?チンパンジーは握力200Kgだというし。
「人間」であることとは社会文化とセットであることだ、と考えてみる。
「人間」ということばにそうした含意があると。
コトバをつかい、意図を伝え、文字をつくり、過去を記録する、
そうした社会文化的サイボーグを人間と呼ぶのでは。
133.34.73.112 , psy18.edhs.ynu.ac.jp ,


15 名前:武田 士称:2009/11/18 16:38 ID:VHyBXvl+

◆11月16日 第五回講義録
●配布物
ワークシート04
●本日の目的
道具とセットの主体性
●授業内容
1.(つづき)社会文化的珈琲メイカーズ p.25〜
実験1「オーダーされたドリンク名を10個、順番どおりに答えてください」
正解出来ない→店員は一般人と同じレベル
実験2「カップを見て、オーダーされたドリンク名を10個順番どおりに答えてください」
全員正解する→当たり前→では学校や心理学の現場ではどうして出来ないことをやらせるのか?

2.道具とセットの主体性 p.29〜
心理学は120年から130年前に興った。
物理学の真似をして実験で集めたデータを用いて、物理的、科学的に人間を見ようとした。
その過程で誕生した記憶しにくいデータ
「無意味つづり」(×魚の名前○レニケ、ワム…連想価による)
ただし「ワム」のように「無意味つづり」が意味を持ってしまう場合もある。
こうした誕生した「無意味つづり」より人間の記憶能力のみを見たい。
人間は記憶能力が弱い(記憶術)。
心理学では、その道具と離れた。

「人間は機械的なものではない」
→もっと人間的に心理学→ヴィゴツキー・ソビエト心理学
社会主義の影響を受けて、マルクスの影響を受けて
「主体性を他のものとセットに」
→記憶の場合ならば、実際の場面での記憶能力を見なければならないのではないか

無意味つづり的な学校の教育(記憶しろ、テストにでるよ…)
内からの理想的なものではなく、外からの現実的なもの
学校でやることは人間の苦手なことである。
趣味の動機づけが出来ていることとは違う。
子供の生活と結びつけなければならない。
勉強がゲームのように好きな子供もいれば、嫌になる子供もいる。
学校での勉強が、ゲームのように好きな子どもに合わせるべきではないのではないか
133.34.73.110 , psy16.edhs.ynu.ac.jp ,


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