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2008 教育の心理学

1 名前:有元典文@管理者 ★:2008/10/06 08:31 ID:???

後期月曜1限教育の心理学講義録及び対話用

2007年度記録 http://www.psy.edhs.ynu.ac.jp/bbs/test/read.cgi/arimoto/1191188541/

2006年度記録 http://www.psy.edhs.ynu.ac.jp/bbs/test/read.cgi/arimoto/1159674622/

2005年度記録 http://www.psy.edhs.ynu.ac.jp/bbs/test/read.cgi/arimoto/1129502298/

2004年度記録 http://www.psy.edhs.ynu.ac.jp/bbs/test/read.cgi/arimoto/1096356197/

2 名前:有元典文@管理者 ★:2008/10/06 10:31 ID:???

第1回講義録 2008/10/06(雨)
配付資料:初回配布物(昨年度試験)、インターナショナルナーシングレビュー論文コピー
状況論的学習論の立場から教育のなりたち(デザイン)を考える。
個人の能力←社会の能力(言葉、数、距離の概念など)
つまり人間は社会的動物
教室で気になる、立ち歩くA君←学校のソフトウェア、ハードウェアの反映とも言える

社会文化的な能力の可視化

3 名前:菅井 篤:2008/10/21 00:20 ID:c9hoTwR+

第2回講義録

●配布物 ワークシート01 学習の転移

●転移 学校制度の下支え
 学校はなぜ可能か
 社会に出て経験することの多くは、今まで学んだことのない事態である。
 それを前提とすると、転移とはある局面で覚えたことが、ほかの局面で応用できるようになることだから
 学校で学んだ限られたことをもとに、現場で応用(=転移)させなければならない。
 転移とは「これまで学んだことを、新しい問題をうまく解決するためや、
 新しい状況で素早く学ぶために用いること」(トゥオミ‐グルーンら,2003)
 学校内で閉じた技能を教えるカプセル化が起きている場合、本当に応用できるのか?
 学校が存在するためには転移が大前提である。

●WORK1
 学校で学んだことで、現実に応用していること/したことのある知識・技能を列挙

●水平的な専門知識
 専門外のソースから素早く知識を探し、専門外のクライアントや専門家と協力し、
 変化の諸過程に巻き込まれないようにする。
 近代の学校の下から積み上げる教えは、垂直的な知識とする。

●WORK2
 ある活動の問題解決にほかの活動の知識技能を使った例の列挙


授業は以上でした。

私個人の感想と質問です。
学校教育において、学習の転移を最も発揮させる授業を考えますと、
最も応用性の高い学習内容を学習すべきであると思います。
しかし、応用性が高ければ高いほど、学習内容は幅広くなり凡庸化することが予想されます。
そして、学習内容が凡庸化することにより、問題解決のための要素を捉えにくくなり、
ある問題や状況に対して対応する能力の一般化が難しくなるのではないかと思いました。
このような矛盾が発生してしまうことはないのでしょうか?
218.221.235.253 , pddebfd.ykhmac00.ap.so-net.ne.jp ,


4 名前:有元典文@管理者 ★:2008/10/21 11:12 ID:???

>>3 菅井さん、丁寧な講義録ありがとう。またこうした質問感想大歓迎です。

> しかし、応用性が高ければ高いほど、学習内容は幅広くなり凡庸化することが予想されます。

そうした事態を「数え上げ不可能性」と表現しました。
凡庸化の意味がだいたい分かるのですが、今ひとつ絞りきれません。
説明してくれればもう少しピントのあった返答が出来ると思います。
例えば、今あるような極めて一般的、抽象的な形での教授はつづけ、
ただその前後に「転移」の時間をつくるというアイディアはいかが。
いわゆる優れた授業実践はそういう構造になっているように思います。
 学校で教えているのは道具とその使い方です。
 使う場面を設定することが思いの外されていません。

5 名前:& ◆rTw4KboHVY :2008/10/21 21:01 ID:c9hoTwR+

わかりました、ありがとうございます。
教授された道具を使う場面設定はされていないのは
おっしゃる通りですね。
「転移」の時間を作るのは、極めて大切だと思います。
質問に答えていただきありがとうございました。
218.221.235.253 , pddebfd.ykhmac00.ap.so-net.ne.jp ,


6 名前:乾 智恵:2008/10/27 11:53 ID:???

第3回講義録

●配布物
ワークシート02学習の転移

●前回の振り返り(転移・カプセル化)

転移の例
・カードの組み合わせ→理科の実験の組み合わせに転移させる→
できなかった→転移は難しいことなのでは?

●変革努力としての転移
転移という現象は、単なる個人の知識・技能の持ち運びではない。

一般的には認知や学習の主体は個人だと考えられているが、活動理論ではそれらをチームや道具、
制度などからなる”集合的活動システム”(=collective activity system)の反映として定義している。

(例)
主体:手術を行う医師
集合的活動システム:検査のルーチン、測定値、様々の器具、役割分担
          論文、医学の文化

集合的活動システムは、文化や歴史など様々なものの集合体。

●work1
自分の身近な転移の例を挙げ、新規学習よりたやすかった点、困難だった点を挙げる。

●異文化交渉としての転移
・転移は異文化間の交渉と交換であるというトゥオミ・グルーンの考え。
 転移という名で個人の内側で起きることは、この共同体の折衝のプロセスという大きな出来事のほんの一部である。
 これ波、人を媒介として起こる集合的活動システム同士のイントロダクションである。
 転移とは知識・技能和異なる共同体に転移するための積極的解釈と再構築に他ならない。
 それは個人内の技術転移というよりも、共同体の変革努力名のである。

●work2
教育実習、その他の課外活動で、大学で学んだ知識・技能が@活用できた例と
A活用できなかった例をそれぞれ具体的に挙げる。

 発表は次回の講義

授業内容は以上だったと思います。



133.34.235.154 , pc-j024.ipcf.ynu.ac.jp ,


7 名前:蒲田みどり:2008/10/27 17:30 ID:???

マルチ2年蒲田みどりです。
数学教師をしながら情報の免許を取るために二度目の大学生をしております。
認知心理学は以前独学していました。

さて、今日の授業の「転移」で活用できる点とできない点についてですが、
例えば携帯電話の機種変更をした場合など、
メールや電話の基本操作はすぐにマスター出来ても、
細かい操作に慣れるまでは苦労しませんか?
(パソコンのOS組み換えなども同様と有元先生からご指摘を受けました。)

それと、私の持っている認知心理学の本によると、アメリカの大学生に次のような
仕事算の解説をした後に、仕事の内容を芝刈りにし、数値を変えた問題を
与えたところ、正答率は17%でしかなかったとのことです。
解法を忘れた可能性があるので、転移課題を解く際に例題の解法を参照
できるようにすると25%に正答率は上がったそうですが、一方が他方より
長く働くような問題にすると解答できた被験者は24名中1名だったそうです。

「アンはある原稿をタイプするのに10時間、フローレンスは5時間かかります。
この原稿を2人でタイプすると何時間でタイプが終わるでしょう。」



220.102.19.159 , FLH1Acl159.kng.mesh.ad.jp ,


8 名前:有元典文@管理者 ★:2008/11/03 17:34 ID:???

>>6 乾さん、講義録ありがとう。WORK2次回の宿題です。

9 名前:有元典文@管理者 ★:2008/11/03 17:38 ID:???

>>7 蒲田さん、コメントありがとうございます。
たしかに機種が変わったりOSが変わったりするとまごつきますね。
そのために、「インターフェース」(操作性)をデザインするわけです。
インターフェースは、道具によっては厳密に法で規定されたりもします。
だとえば自動車。自動車の操作性が車種によって変わったらたいへんです。
もうひとつ、転移の例をありがとうございます。
同一の要素同士を一対一にマッピングしてもまだ文脈が変わると
間違えるようです。転移は怒りにくいという例ですね。

10 名前:蒲田みどり:2008/11/10 17:40 ID:???

仕事算の解法です。
仕事全体を1とすると分数の計算が出てくるので、仮に仕事全体が30だとしましょう。
すると、アンは1時間に仕事を3、こなせます。フローレンスは1時間に6、
こなせます。
二人合計で1時間に9の仕事ができますよね。
だから30÷9=3.3333・・・
つまり3時間20分が正解です。

220.102.19.159 , FLH1Acl159.kng.mesh.ad.jp ,


11 名前:中橋 京子:2008/11/11 10:07 ID:Va2NpktQ

第4回講義録

●配布物
ワークシート03 開発的転移

●はじめに:前回のまとめ
      転移とは/集合的活動システムとは

●ワークシート02 WORK2 大学の学びで役に立った/立たなかったこと
(一例)日本史概論・地理概論・政治概論等○/教育原理× (現社会科教師)

 ★「教えれば学ぶわけではない」

●掲示板をよんで。
 ・転移はものすごくしづらい・起きにくい
 ・「インターフェイス(操作性)」=中身と向き合う面
   →ホチキスと自動車は操作性が違う。

●開発的転移
  「水平的専門知識」と、それが頼るものとしての「境界上の対象物(boundary object)」

 学校の知識と現場をすり合わせるには、boundary objectが必要。
 生徒と教師は教育機関と実習先をつなぐ調停者、越境者。
 こうした存在は、異なる文化をつなぐ契機をつくりだす!
 いつの時代も‘やっかいもの’がいるから、教育は持続しているのだ。
 人間社会は教えることで維持されている。

●学校を再定義する
 初心者…進歩の原動力。できない人がいることで、社会が変わることができる。
 interactionや初心者が多いことがその社会にとって重要。たとえば、子供、外国人、障害者…

 発達としてのdevelopと開発としてのdevelop
開発的転移

●ワークシート03 WORK1
(一例)子供の発想力、バイトの新人、部活の新入生、などなど


 〜感想〜
  現代社会では、新しい共同体をつくることが教育や社会の維持に必要だという話をきいたことがありますが、
 「初心者」を育て上げるということは、共同体を構築することに他ならないんだというふうに感じました。

133.34.236.80 , pc-p050.ipcf.ynu.ac.jp ,


12 名前:有元典文@管理者 ★:2008/11/17 01:19 ID:???

>>11 中橋京子さん、講義録をありがとう。

> 「初心者」を育て上げるということは、共同体を構築することに他ならないんだというふうに感じました。

そういうことだと思います。子供を育てるのは次代を作ってるのですよね。
明日の自分たちの生活を作っているわけです。

13 名前:三浦 智:2008/11/20 12:29 ID:nXwKjT4w

第5回講義録
●配布物
ワークシート04 ZPD(発達の最近接領域)

●前回のまとめ(共同体)

●具体例:インターンシップの評価
個人だけでなくインターンシップ先にどのような影響(一時的でないもの)を与えたかを
評価する。
コミュニティ同士の新たなつながりを生む。(学校―現場)
→学校と現場の間に開発的転移が起きたかどうかを評価

●WORK1
大学でのクライテリアはどんなものであるべきか?

●結論:学校の再デザイン
発達の最近接領域(ZPD…Zone of Proximal Development):ヴィゴツキー
→「今一人でできること」と「助けを借りてできること」の間をゾーンとし、それはい
つか一人でできる能力までの伸び幅
学校は擬似的な問題を解決する最適な知識を教える場なのでZPDが計れるが、現場では
最適な答えを誰も知らないため、ZPDが計れない。
トゥオミ−グルーンは現場でのZPDを「未だ誰にも知られていない目標(target unknown
to everybody)」だと見いだした。
→個人でなく共同体そのものの変化の幅=開発のゾーン

下から10行目からは次回
<感想>
このインターンシップの話で開発的転移ができたか評価するということだったが、現在の
日本の大学や企業の性質を考えると難しいと思いました。また、自分は自分より知識のあ
るものにつくことによる伸び幅だと思っていましたが、ここでは学生もZPDの開発のゾー
ンにおける支援者となりえるということでしょうか?

133.34.235.146 , pc-j016.ipcf.ynu.ac.jp ,


14 名前:有元典文@管理者 ★:2008/11/20 18:41 ID:???

>>13 三浦智さま、講義録ごくろうさまです。感想をどうもありがとう。
こういう感想がたいへん参考になります。

> このインターンシップの話で開発的転移ができたか評価する
> ということだったが、現在の日本の大学や企業の性質を考えると
> 難しいと思いました。

そうですね。これは困難。こうした新しい形式の学習と
あたらしい形式の評価が成り立つには、あたらしい制度の設計が
いるということでしょう。

> また、自分は自分より知識のあるものにつくことによる
> 伸び幅だと思っていましたが、ここでは学生もZPDの開発のゾーンに
> おける支援者となりえるということでしょうか?

現実的な場面では「支援者」という立場が成立しにくいと言うことだと思います。
初心で技術に乏しいことが、かえって組織そのものの知恵を増やすこともあるでしょう。

15 名前:有元典文@管理者 ★:2008/11/20 18:43 ID:???

「教育の心理学」教科書販売のお知らせ

お待たせしていましたが「教育の心理学」(月1・有元)の
教科書が出版になりました。下記の予定で出版社から人が
来て出張販売してくれます。税込み2310円のところ
1900円に割引になりますので、この日に購入することを
お勧めします。(木曜4限「心理学B(岡部)」と共通です)

          記

日時 12月1日(月) 1限講義内
書名 「デザインド・リアリティ
       −半径300bの文化心理学」(北樹出版)
価格 1900円(書店では2310円、生協では一割引)

以上

16 名前:大野友理:2008/12/02 04:52 ID:Jwtdt/dM

第5回講義録
●配布物
ワークシート05 人間の基本的条件

●前回のまとめ ZPDの可能性 転移による学習への革命

●主題 人間(agent)の行為は人工物(object)と不可分である

人間が主体性(=行為者が行為の原因である、という現れ)をもって何かをするとき
必ず対象となるものが存在する。それは言語であったり、時には本のしおりでもある。
つまり、人間の基本的条件として「徒手空挙(=手ぶら)で行為しない」ということが
言える。人間は特別的であり、集合的であり、社会・文化に依存しているのである。
かなり哲学的ではあるが、私たちの生活の中には先人たちの貪欲な学びによる産物」
にあふれているのである。学校という場が「知のセンター」に戻るためにも、
学校現場において“開発的転移”が必要とされているのではないか。

●教科書販売(1900円)←お買い得でした☆

※授業録なので先生のお言葉に忠実に書かなければいけないのですが、どうしても
自分の中で一度フィルターにかかったような内容になってしまいすいません。
この授業は毎回新たなものを得ることができて、毎週月曜日に脳が活性化されています。
58.87.131.250 , p5783fa.tokyte00.ap.so-net.ne.jp ,


17 名前:有元典文@管理者 ★:2008/12/07 21:35 ID:???

>>16 大野さん、講義録ありがとう。

> ※授業録なので先生のお言葉に忠実に書かなければいけないのですが、どうしても
自分の中で一度フィルターにかかったような内容になってしまいすいません。

いえいえ。それならば録音をアップロードすれば良いわけで、
皆さんに講義録をお願いしてるのは、皆さんに解釈されたものを
見てみたいということもあるのです。

> この授業は毎回新たなものを得ることができて、毎週月曜日に脳が活性化されています。

それはうれしいです。
現実の当たり前を、別の目から見るということをしたいのです。

18 名前:大橋一貴:2008/12/09 22:28 ID:Udp1tdDE

第7回講義録 2008/12/08 晴・曇

●配布物
ワークシート06
「デザインド・リアリティ」T章より(教科書 pp.19〜24に相当)

●社会文化的サイボーグ
・道具(や仲間)→ 個人の能力を飛躍的に向上(ex. しおり→記憶力)
・道具を使っていろいろできる = 道具なしではできない
 → 一人では主体たり得ない
    ↓
【(人間の行為の)人工物(artifact(s))との不可分な一体化】
ex. 演奏者の主体性は自律(立?)的・独創的ではなく、むしろ社会的・文化的・歴史的
 ← 楽器、楽譜(作曲家)、他の奏者や技師、(聴衆も?)…との集合体の一断面
  ・その行為が周囲に「音楽」と認めてもらえる程度の枠に収まる必要性
    ↓
【演奏者は「社会文化的サイボーグ」】
・私たちは集合的な生き物 ← 社会文化の力が織り込み済み
 ・人工物を奪うこと = 行為者の能力を奪うこと

●人工物と一緒に
・学校は「個人に」認知的負荷(load)を与える場所
 ・ミスを誘発させ(それを乗り越えることで)「一人で」何でもできるように
  → 人間の集合性との矛盾
    ↓業務の現場では逆に…
・負荷を減らせば、ミスは減る → 教育可能性を拡大できる
    ↓
・業務への道具(人工物)の導入 → 業務研修の効率化

●社会文化的コーヒーメイカーズ
・注文内容 → [短期記憶] → 反復復唱(リハーサル) → [長期記憶]
・短期記憶は7±2項目が限界(実務には圧倒的に不足)
    ↓
【認知的負荷の軽減】
・「書いて、忘れる(忘れる為に書いてしまう)」記憶術(mnemonic)
    ↓
【店員の(社会文化的)注文記憶サイボーグ化】

●WORK1:身近な「認知的負荷の低減(軽減)」の具体例
・背番号(相手の顔や名前を知らずとも個々人の区別が可能に)
・生徒や顧客の情報のファイリング(どちらかというと整理よりは蓄積の意味で)
・電話の内容のメモ取り
・家庭におけるカレンダー(家族全員の予定把握の効率化)
133.34.74.66 , ngmBB.edhs.ynu.ac.jp ,


19 名前:大橋一貴:2008/12/09 22:33 ID:Udp1tdDE

(せっかく感想を書く流れなので)

「それまでは修業的な努力でやっと可能になった業務課題が、そこらの凡人でも紙とペンがあれ
ば易々とこなせるようになるのは、とりわけ社会には大きな利益である一方で、個人の能力の向
上機会を奪い、結果的に人間の能力を低下させるのでは」との指摘も当然あるだろうなあと。
ex.
・携帯電話(の電話帳機能)→記憶能力低下
・インターネット(の検索・百科事典・レポート共有サービス)→大学生の質の低下
・学校でのグループ学習→往々にして「できる子任せ」(違う?)    など…

かといって個人の能力の向上こそやはり正義なわけでもなく、先の指摘そのものが、そもそも(日
本の)学校が「道具/ツールの(利用よりむしろ)活用」「他者との協力/コミュニケーション」に関わ
る教育を蔑ろにしてきたために起こるもの、ってことかなあという発想に行き着きました。

総合的な学習の時間や、高校の教科情報などが受ける誤解も、これらが先鋭的にそれらの分野
を盛り込んだためで、結果主義の世の中でこういうのが認められるには、成果が揃うまでどうして
ももうちょい時間が要るんだろうなあと考えてしまいます。
最後は情報科志望のぼやきになってしまいました。長くなってすみません。

133.34.74.66 , ngmBB.edhs.ynu.ac.jp ,


20 名前:有元典文@管理者 ★:2008/12/11 06:55 ID:???

>>18-19 大橋一貴さん、綿密な講義録ありがとうございます。また感想もたいへん参考になり嬉しいです。

> それまでは修業的な努力でやっと可能になった業務課題が、
> そこらの凡人でも紙とペンがあれば易々とこなせるようになるのは、
> とりわけ社会には大きな利益である一方で、個人の能力の向上機会を
> 奪い、結果的に人間の能力を低下させるのでは

という意見があり得るというご指摘はもっともです。
本来日々の暮らしの中で学び維持されていくはずであった漢字を、
ワープロの普及のせいで私は44歳にもなってろくに知らない。
「個人の能力の向上機会」が奪われ、結果的に私の漢字書き取り能力は
低下しました。

こうしたことを考える上で忘れてならないのは、「能力」の観察相対性です。
能力はただオーラのように個人に付随するわけでなく、特定の観察場面と
セットで立ち現れる。私に二度と手書きの場面が訪れなければ、私の
「漢字の無能力」は立ち現れることがない。同様にそうした場面がないこと
から、私の「遠くの獲物を視認する能力」や「揺れる船でまっすぐ歩く
能力」や「PCR法によるSTR型検査の能力」は立ち現れない。
じゃあなぜワープロがあるのに漢字の書き取りをさせるのか、電卓があるのに
手計算させるのか。これは重要な問ですね。

21 名前:有元典文@管理者 ★:2008/12/15 08:58 ID:???

この教科書、いろいろなブログで紹介されました。是非みてみてください。
http://www.nakahara-lab.net/blog/2008/12/post_1393.html
http://dunloe.life.coocan.jp/finnegans/2008/12/04145633.html
http://www.enpitu.ne.jp/usr1/17107/diary.html

またせまいジャンルですけど、文化心理学の売れ筋、というランキングサイトでは一位になってました!
http://www.ne.jp/asahi/jubus/com/psycho/html/psycho94.html


22 名前:有元典文@管理者 ★:2008/12/15 11:00 ID:???

教科書が必要な方、私のてもとに数冊ありますので、必要なら申し出てください。

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